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前回は、夏休みに船でバイクごと帰ってきた息子と、初めて一緒に走った話を書きました。
夏が終わり、秋。
このころ私は、ある買い物のことを考えていました。
ヘルメットです。
やっぱり、フルフェイスかな
第8話でも少し触れましたが、私が最初に買ったのはジェットヘルメットでした。
選んだ理由は、正直に言うと値段が安かったから。
でも、走るようになってから、だんだん思い始めます。
やっぱり、フルフェイスのほうがいいのかな。
安全性を考えると、そうだよね。
ネットで調べ始めると、「こういうのがいいな」と思うものが見つかりました。
オージーケーカブトのカムイ3というフルフェイスです。
でも、ヘルメットは実際にかぶってみないと分からない。
そう思って、バイク用品店へ向かいました。
店員さんの「マストですよ!」
お店で相談すると、店員のお兄さんはきっぱりこう言いました。
「フルフェイスはマストですよ!」
やっぱりそうなんだ。
よし、買おう。
……そう思ったのですが。
お兄さん、ごめんなさい
お店の値段を見て、固まりました。
高い。
そして、思い出してしまったのです。ネットではちょうどセールをやっていたことを。
その差、1万円ほど。
迷いました。
でも、バイト代で用品を揃えている身です。1万円は大きい。
心の中でお兄さんに「ごめんなさい」と謝りながら、その日は家に帰ったあと、ネットで購入しました。
お詫びというわけではないですが、その日はそのお店で、冬用のジャケットと冬用のグローブを買いました。そろそろ寒くなってきたときの準備もしなくては、と思っていました。
冬用のジャケットは夏用と同じKOMINEにしました。
ヘルメットもジャケットもグローブもバイクに合わせて黒と赤に揃えました。
事故を起こしたときに、胸を打って亡くなる確率はかなり高いのだそうです。
二輪車の死亡事故で、損傷した部位の1位は頭部。そして2位が胸部なのだとか(警察庁の統計)。
それなのに、胸部プロテクターの着用率は10人に1人もいないそうです。
やはり、ちゃんとしたジャケットはプロテクターが丈夫で、安心感がまったく違います。
(私が買ったのは4年前のものなので、今は同じモデルが手に入りません。似たタイプのものを載せておきます)
グローブも、このとき初めてプロテクター入りにしてみました。
選んだのはデグナー。
第7話で書いた、はつこさんの動画がきっかけで買ったお気に入りのライディングブーツと、同じメーカーです。
ブーツとパンツがデグナーだったので、グローブも揃えたくなってしまって。
冬のツーリングに、冬用のグローブは必須です。厚みもあって、あったかい。
ただ、運転は少しやりづらくなります。
何度ウィンカーを出そうとして、クラクションを鳴らしたことか(笑)
バイクに乗り始めた頃は「たいして乗れもしないんだから、私なんかが乗るのに高価なものは必要ない」と思っていました。安全だったらなんでもいいと。
でも少しずつ気に入ったものを揃えて行くと出かける時もワクワクするものです。
そう、あの重い不安が少しだけ軽くなるような気もしました。
大晦日、掃除もそっちのけで
そして、年末。
息子がまた、船でバイクごと帰ってきました。
大晦日。
みんな何かと忙しい日ですよね。
でも私たちは、掃除もそっちのけでツーリングに出かけました。
途中でお腹が空いてきて、息子に美味しいもの食べさせたいなと思って聞きました。
「何食べたい?」
返ってきた答えは、
「マック」
……どこでも食べれるよね(笑)
そんなわけで、近くのマクドナルドへ向かいました。
スタンドを立てた、つもりで
駐車場にバイクを止めて、しゃべりながら降りようとしたときです。
いつもなら、スタンドを立ててから降ります。
でも、このときの私は、すっかり話に夢中になっていました。
スタンドを立てたつもりで、降りてしまったんです。
バランスを崩したバイクは、そのまま隣の息子のバイクのほうへ。
幸い、息子のバイクに支えられて、完全に倒れることはありませんでした。
でも。
私の足が挟まって、なかなか出られない。
よりによって、全面ガラス張り
そしてここで、最悪の事実に気づきます。
そのマクドナルド、田舎には似つかわしくない、全面ガラス張りだったのです。
つまり。
店内から、丸見え。
早く起こしたい。でも足が出ない。
焦る。
息子も、苦笑いしています。
結局、息子がバイクを起こしてくれて、やっと足が抜けました。

開き直って、入りました
バイクを立て直しながら、ふたりで相談します。
「どうする? 入る?」
「恥ずかしいね」
でも、考えてみれば。
「まあ、知ってる人はいないし。入ろう!」
そう開き直って、私たちはマクドナルドに入りました。

……結構、恥ずかしかったですけどね。
新しいフルフェイスを手に入れて、少しだけ安心して走れるようになった秋。
そして、大晦日に大恥をかいた冬。
そんなふうにして、私のバイク人生が始まった2022年が終わっていきました。
次回は、年が明けて2023年。
実家の近くで練習会が開かれることになり、久しぶりに参加した日の話です。

